AOR

 「AOR」という洋楽のジャンルが登場し、私はその魅力に感染した。アダルト・オリエンテッド・ロック。大人向けのロック。ロックと付くが、やかましい音楽ではなく、ボズ・スキャッグスやクリストファー・クロスに代表される曲の数々で、歪みのない楽器音と怒鳴らない声が特徴だ。当時、仲間で「AOR」の定義について語り合ったことがあるが、明確な定義を見出すことができず、「聴いていて気持ち良い、歌詞のある洋楽」ということで落ち着いた。

 都会的なサウンドで、マンハッタンブリッジの夜景なんかを想像しながら(けど、その多くはウェストコーストサウンドなのだが)、田舎の片隅で曲を聴いていた。それから数年後は、車を手に入れて、カセットテープで鳴らしながら、ドライブにも出掛けた。そんな雰囲気の曲である。

 私はこんなAORのジャンルで、好きなアーティストに「アレッシー」という双子の男性デュオがいる。知る人ぞ知るという位で、セールス的には恵まれていない。だが、知る人の間での評価は高い。そもそも私がこのアレッシーを知るようになったきっかけは、松田聖子がやっていたFMラジオ番組で、普通は聞くはずもない番組だったが、その日の番組の中で特集を組んでいて、スピーカーから流れてくる歌声に心震えた。早速、番組で紹介されたアルバムを買い求めて何度も聞き、その後もCDで再販された際にそれを買い求め、今でもたまに聞いている。

 たまには懐かしいあの頃のAORサウンドを聴いてみることにしよう。せっかくなんで、当時のラジカセのアンプを通した音で鳴らしてみよう。ちなみにAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)というジャンルは日本独自の呼称で、本場アメリカには存在しないらしい。

「そよ風にくちづけ」 アレッシー

「ロンリー・フリーウェイ」 ラリー・リー

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