ビター・スウィート・サンバ

 午前1時というのは当時の私にとって未開の時間帯であった。しかも番組はそこから2時間も続くのである。中学生当時、クラスの何人かは既に「オールナイトニッポン」を聞いていた。しかし、毎日というわけにはいかず、土曜日のみというスタイルだった。とりあえず私も土曜日(正しくは日が替って日曜日だけど)の深夜から挑戦することにした。当時の土曜日のパーソナリティは笑福亭鶴光であった。

 時報とともに、鶴光の声が聞えて来た時にはちょっとうれしかった。やがて冒頭の喋りが終わり、番組タイトルをコールするとテーマミュージックが流れる。それが、ビター・スゥィート・サンバである。鶴光の番組の目玉コーナーは「おどろき桃の木びっくり話」と「おどろき桃の木ピンク話」という駄洒落の言葉遊びのコーナーであった。

 ビートたけしのオールナイトニッポンは記念すべき1回目の放送から聞いた。枕元にメモを置いて、面白い話をメモしていたが、朝になるとそのメモは全く面白くなかった。やがて、オーディオタイマーとオートリバース対応のラジカセを用いることで、二時間の放送をまるまる録音することに成功した。これは自分的には随分画期的なできごとだった。

 月曜日は中島みゆき、その後デーモン小暮、火曜日は所ジョージ、水曜日はタモリ、木曜日はビートたけし、そして金曜日はラジオっ娘、なんてのを聞いていた。

「ビター・スウィート・サンバ」への1件の返信

  1. 『午前1時は未開の時間帯』
    わかります、わかります!
    小学生の時に兄と一緒に初めてオールナイトニッポンを聴きました。
    パーソナリティーが誰だったのか、内容はどうだったのかは覚えていませんが、眠気と闘いながら聴いていたことと、番組が終わった時に
    ちょっとだけ大人になった様な気がしていた事を覚えています。
    その後、ラジオを聴きながら寝るのが日課になっていました。

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