80年代アイドル概論

 80年代はアイドルの時代だった。世間がポスト山口百恵を求め、松田聖子や河合奈保子のデビューからこの一連のブームが始まった。そして、私と同年代のアイドル達が数多くデビューする時期へと続く。このあたりの多くは今でも芸能界に結構生き残っている。テレビ番組もアイドルが露出する番組が多く、雑誌も「平凡」や「明星」を始め、「Bomb!」や「Dunk」のようなA5サイズの雑誌が数多く出版された時である。

 アイドルと一口に言っても、売れ方やポジションは千差万別である。順に挙げるとすると、「ザ・ベストテン」などに必ずランクインするアイドル。ジャニーズ系や小泉今日子あたりがこれにあたる。既に松田聖子はアイドルの域を出ていた。続いて、アイドル番組やバラエティ番組にしか出られないアイドル。松本伊代、堀ちえみ、早見優、石川秀美ぐらい(彼女らは私と同年代)がこれであろう。そして、ほとんどテレビに出られず、多くの人の記憶にはとどまっていないアイドル。しかし、彼女達のマイナーぶりが熱狂的なファンに支持されていたりする。例を挙げるとすると、パンジー(北原佐和子、三井比佐子、真鍋ちえみ)、CoCo、Ribon、ラジオっ娘、セイントフォー、スターボー、リフラフ(SAMもメンバーだった)、徳丸純子、新井薫子、井上望、渡辺桂子、etc・・・etc・・・。水野きみこも忘れてはいけない。書き連ねるときりがないし、もっとマイナーのも知っている。

 しかし、こんなアイドル時代も80年代も半ばを過ぎた頃から廃れていく。まず、これまで多くの歌手の登龍門として機能してきた「スター誕生」が放送を終わる。そして、その後の登龍門はプロダクション主導の大規模オーディションとなっていった。しかし、これが思ったほどの効果を生むことなく、優勝者のその後の活躍も芳しくなかった。丁度その頃に、「夕やけニャンニャン」でおニャン子が台頭して来る。また、夜は素人に毛の生えた程度の女子大生がブラウン管に溢れた。それは取りも直さず、素人とアイドルの境が希薄になっていった時期でもある。お気軽なカリスマが登場するようなご時世であり、メディアと共に人々の嗜好は多様化している。しばらくはあのようなアイドル時代の再来は難しい気がする。どうだろうか?。

 個々の当時の状況やさらなる考察については、別の機会で。

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