ヴァン・ヘイレンのアルバムタイトル「1984」。彼らのアルバムの中で最高セールスを記録し、彼らを代表するアルバム。何しろ、天使がタバコを指に挟んでいるというジャケットがふざけているというか、とても衝撃的だった。
早速シングルカットされた「ジャンプ」は、エディがシンセサイザーを弾くなど、これまでにないスタイルに驚かされた。一方、「パナマ」が従来からの彼らのスタイルらしく、個人的にはこっちの方が好きだった。ただ、シングルカットされた曲を除くと、いわゆる売れ線の曲はない。
実はこのアルバム、リリースされたのは前年の年末のことだった。そして徐々に国内のラジオ番組などで「ジャンプ」が盛んに掛かるようになり、ヴァン・ヘイレン人気はこの年、ピークを迎えた。その年の確か秋頃、ある音楽雑誌は、「ヴァン・ヘイレンが来日公演をやらないと1984年は終わらない」という主旨の見出しの記事で煽ったりしたが、その雑誌社が何かできるわけでもなく、その年は終わってしまった。
このアルバムを最後にボーカルのデイヴィッド・リー・ロスが脱退し(後に復帰するが)、新たなボーカルとしてサミー・ヘイガーを迎え、新生ヴァン・ヘイレンがスタートした。