86年末に映画「ハスラー2」が公開され、それにより全国的にビリヤードブームが起きた。
87年になると、あちこちにプールバーというビリヤード場が作られ、大学生や若手会社員などが多く訪れて、かつて(70年代)のボウリングブームのように、ゲームのために台の空きを数時間待つ、なんてことも週末の夜となるとお決まりの頃だった。
以前は男性だけの、しかも若者は好まない趣味と思われていたが、この時のブームは若い女性も交えての娯楽として愛好された。
プールバーと言うからには、酒でも飲みながら、優雅に嗜むものなのだろうが、にわかにできたプールバーはそんな余裕などなく、せかせかと玉を突き、さもなくば、待っている人々に申し訳ないような状況だった。
この時に流行ったゲームは「ナインボール」1~9までの的玉を使い、数字順に玉を落としていき、9番のボールを落とせば勝ち、というルールである。誰もがまだそれ程うまくはなく、技術さも少ないので、偶然性のあるゲームと言える。
ゲーム代も1時間300~500円程度と、遊びのコストパフォーマンスとしては、場持ちも良かった。
初心者の女性にも、手取り足取り(まあ、足は使わないけど)と、仲良くなれる要素があった。
それは映画「ハスラー2」のお陰だろう。
トム・クルーズよ、ありがとう。